不愉快な事を思い出したので記しておこう。
「思い出し笑い」ならぬ、「思い出しむかつき」
ある晩、家路に就くため歩いていた私……
人通りの少ない道中、一人の女性の背中が見えてきた。女性の後ろを歩くのはすこぶる落ち着かないので、私は「さっさと追い抜くか」と、歩く速度を速めた。
日頃から私の歩行速度は速い。何故だか速い。大抵の通行人と比べると、相当に速いと思う。
自転車と併走が可能なほどに速い……と言うのは言い過ぎか。とにかく、友人たちに言われる。「歩くのやたら速いね!」
相手が女性ならば追い抜くのは容易だ。だが、この時、何故か距離が縮まらない。
どれだけ速度を上げても距離が縮まらない。ちょっと息切れしてきたぞ……
更に歩行速度を上げると、女性がこちらを一瞬「ちらり」と振り返った。
嫌な予感がするぞこん畜生が……!
「まさか」と思ったその時、女性は猛然とダッシュを決めた。
全ての意味を理解した私は「待てやゴラァ!!」などと叫びながら追い回したりはしなかったが、げんなりしてしまった。
怪しまれても 一つ冷静に
状況を考えたら、仕方ないのかも知れない。暗闇だったしさ。女性が「何この人痴漢かも知れない死ねよクソ野郎」と思ったとしても不思議ではない。
「私が女性を警戒させてしまったのだな」と思う事にしよう。
じゃなきゃやってられんわ惚け茄子が。
一握りの痴漢や変態のお陰で全ての男が疑われてしまう。これは由々しき事。とは言え、「馬の骨を警戒するな」と言う方が無理。うん。勿論それは理解するよ。
御伽噺のような変態の話
二十年ほど前に交際していた彼女から聞いた話……
通勤中の電車内。彼女は開閉ドア付近(手すりの側)に立っていた。その対面には、スーツを着たサラリーマン風の男が一人。
なんと、この男……彼女の目の前で陰茎を取り出し、オナニーを始めたのだ。周囲に見られないよう、上手い事バッグで隠しながら。
立っている側のドアが開く駅が近づくと、男の動きは「急いで出さなきゃ!」と言わんばかりに激しさを増し……いやあああああ!
まあ、すんでの事で射精を目撃する羽目には陥らなかったそうだ。危ない危ない。
下手したら勢いよく射精され、「直撃」の憂い目に遭うところだ。
……「えきを飛ばす」って意味が違うと思うの。どうでもいいわ惚け茄子が!
真面目に痴漢対策の話をするべか
まず、ミニスカートの着用は避けた方がいいでしょう。とは言え、「尻のラインに欲情する男」もいるので、パンツルックだとしても油断は禁物なり。
電車を利用する際、女性専用車両を積極的に利用すると吉と出るかも知れませんね。ただ、女性に触りたがる女性に遭遇するケースもあるとか……まあ、レアケースかも知れませんが。
痴漢は「割とおとなしそうな女性」に目を付けると聞きます。だもんで、「お前はどこのビッチだ」と言われるくらい徹底的に派手に装ってみるのも手かも知れません。
……ストーカーに付きまとわれるリスクが増大するかな。
当たり前ですが、可能な限り夜間の行動は避けるべき。明かりのない道中は危険極まりないので。ああ、朝から出没する変態も存在するか……よしんば夜間の行動を自粛したとしても安心は出来ませんね。
痴漢やレイパー対策として武装するのは褒められません。下手したら逮捕されます。
ここは一つ、「ブロック塀に拳の後を付ける事」が可能なくらいに鍛えてみては如何でしょうかね。ただ、好意を寄せる「お目当ての男性」に逃げられてしまうかも。
あるいは、でっかく『痴漢は必ずぶっ殺す』とプリントされた服を着用して周囲を牽制してはどうかな!
うーん……やはり、完璧な対策は難しいな。
ああ、そうだ。ガードルの着用は有効かも。少々、後ろ向きの対策でしょうかね。
ただ、ガードルの上から触るのは「つまらない」はずなので……
あ! ち、違いますよ!? 私は断じて違うからな!!
私の場会い、速度をあげて10分くらいしてやっとこさ追いつき抜こうとしたら女性から声をかけられました。ただしその女性は高齢者であり70歳くらいかな。田舎の婆さんはけっこう足腰達者でな。別の日道端に立っていたバアさんと話をした。なにせ婆さんしかおらんのですわ。田舎は。前に急斜面の山があってその上の方に畑があり道がついている。この山の畑に毎日通っていたという。「よく登れますな」と言ったら「馴れですわ」と。このセリフはいまだに頭に焼き付いてます。
さて本題の痴漢置換問題ですが、私にも経験があって、横断歩道で信号の変わるのを待っている時信号が変わるや否や隣の女がダッシュして逃げました。何もしてないし何も思ってなかったのに。あとでやっと私がその歩道まであの女の後ろを歩いていたことに気が付きました。自意識過剰というか。新宿区役所通りを出た靖国通りの横断歩道ですよ。ほかには神楽坂で夜後ろから若い女が急に近づいてきた。そのままピッタリと後ろについている。坂の前を見たら酔った男が4,5人降りてくる。はあそういうことかと、女を脇に寄せて男たちをやり過ごしてやりました。で女にダッシュされたら頭に来ますがそういうこともなく会釈して女は先に歩いていきましたとさ。こういう経験は二回か三回ありますわ。
幸いこれまで痴漢に置換される危機も未然に防ぎつつ切り抜けてまいりましたことを幸運に思わないといけません。世の中には見に覚えのないのに痴漢に置換されて人生を棒に振った男性もいるのですから。
女は恐ろしいですわ。