『人狼ゲーム』を観た感想

割と話題になっていたと思いますが……「人狼ゲーム」を御存知でしょうかね。いや、最初は全く興味が湧かなかった。今でも大して興味ないけどw

で、気まぐれに映画『人狼ゲーム』を観てみた。Amazonプライムに加入してると追加料金なしに視聴できます。どうでもいいけど、この作品のためだけにお金を使う気にはなれない。

まあ、まずは予告編でもいかがでしょうかね。

この作品……ぶっちゃけ、クソなのか名作なのか判断できません。

私の中では低評価なのだが……何だかんだシリーズを続けて観てしまってるし……まあ、私の負けだな。名作とは言えないし、人にも「面白いよ」と言い辛いけど、

結構、好きな作品で御座います。

個人的には『人狼ゲーム プリズン・ブレイク』が好き。色々とガバガバで。

※以降は多少のネタばれ含みます

人狼はどいつだ!

ところで。私は「人狼ゲーム」が如何なるゲームなのかさっぱり知りませんでした。だから、調べた。心理戦が肝となるパーティーゲームらしいが……元々はヨーロッパが発祥なの? どうでもいいけど、ファミコン『女神転生』の中でも嘘つきは誰かを探すイベントがあったな。台詞をつぶさに読み、誰が嘘つきかを当てると……割と面白かった記憶がある。まあ、その話は置いといて。

プレイヤーとして選ばれた十人の高校生たち。彼らは拉致され、強制的に生死を賭けた人狼ゲームに参加する羽目に陥ってしまう。

生き残りたければ巧みに騙せ。

それが、人狼ゲームの神髄なり。

ところで……如何様な手段で拉致したのでしょうかね。拉致される瞬間が描写されてないので物凄く気になる。高校生たちはほぼ同時期に拉致されてるようなので、恐ろしく手際がいいプロの仕業なのでしょうね。

運営のルールに背いてもプレイヤーは殺される。従って、高校生たちは何が何でも人狼ゲームに参加しないとならない。とにかく、勝利をつかまない限り、常に死が付きまとう。

嘘のつき合い探り合い……プレイヤーは協力者を募ったり他人の役職を騙ったり、様々に工夫を凝らす。最初に配られている自分の役柄カード(村人あるいは人狼など)を他人に見せなければ、何をどう発言しようが自由。

面白いと思ったのが、自分の役柄を告白するタイミングでしょうかね。例えば「予言者」など、早めに申告すれば「用心棒」が活動しやすくなる。だがしかし、大抵は複数人の予言者が現れるなど、序盤からプレイヤーたちが疑心暗鬼となる。複数現れたら、確実に誰かが嘘をついてるわけだ。特殊な役柄は一人しか存在せず、用心棒役も誰を守るか迷ってしまう。どうでもいいけど、このゲーム物凄く上手いと友だちがいなくなりそうw

特殊な役柄は様々にあるが、予言者が割と重要っぽい。予言者は一日に一人、誰が何の役なのかを知ることができるので、人狼側にとっては極めて厄介な存在。だもんで、テクニックとして敢えて人狼側が予言者を騙り、村人を混乱させてみたり……

最後のスタッフロールの中で誰が何の役柄だったのかを知ることができる。これをあらかじめ知った上で再度観てみると、また違った面白さを発見できるかも知れません。一粒で二度美味しい? いや知らんけどw

二度美味しいと言えば……蛇足だけど『メメント』は普通に観てたら分からん……DVDだと結末の方から遡って再生できるから、そっちで観てしまいました。面倒臭いの駄目なのよ、私。

低予算の上に設定ガバガバだけど観ちゃう

さあ、今度は作品にあれこれ突っ込む番で御座います。いや、愛があるからこそ、突っ込む。真のクソ映画はな~んにも触れないでスルーするからね。というかブログで取り上げません。

観たのは第六作目までなので、その辺は御理解なさって頂きたい。ドラマシリーズの方はちっとも観てません。最新の映画は『人狼ゲーム インフェルノ』ですが、こちらもまだ観てません。観たいんだけど、ドラマシリーズから続いてるみたいだから……まあ、いいや。

・シリーズ通して、同じ施設

これ、同じですよね? どこぞの保養施設みたいな舞台なんだけど……どう見ても同じだ。だもんで、飽きる。

二作目以降を観た時「またここで人狼すんのかよ!」って突っ込んじゃいましたからね。予算の関係もあるのかな。これってもしかして、まとめて撮影してる? まあ、制作側の都合はさておき……

・シリーズ通して、始まり方がほとんど同じ

集められた施設のホールでプレイヤーたちが目を覚まし、用意されていたテレビに文字が流れ、ゲームの説明が始まる。シリーズ通して同じなので、飽きる。

劇中のプレイヤーたちは未経験(経験者もいるが)だから、最初に説明が必要なのは分かる。分かるんだけどさ、観てるこっちは何回も同じ説明を繰り返されるわけで……飽きる。とにかく、飽きる。

とは言え、作品によっては役柄が増えたり、ゲームの流れが通常の人狼とは特殊(狂人村など)だったりもするので、視聴者に対する説明が必要なのも分かる。ただ、演出、構成など、見せ方をもう少しどうにかして欲しかった……だって、テレビに表示されるフォントから何から丸っきり同じなんだもん。こりゃ飽きるって。やっぱさ。

・シリーズ通して、キャラ設定がほとんど同じ

清楚系、真面目系、DQN系、ビッチみたいな女子高生、オタク臭い奴、ニヒルな野郎……キャラ構成がほとんど同じなので、飽きる。

もしかしたら、設定として「運営側が敢えてそのように人選した」可能性もあるのか。原作もあるようだけど、読んだことないからなぁ。いずれにしても、シリーズ通して大体同じなので飽きちゃうのよ。とにかく。

何が一番飽きるかって、シリーズ通してプレイヤーが高校生だけ。

例えば、「各国の外国人プレイヤー」とか「子持ちママプレイヤー」とか「ガチアウトロープレイヤー」とかを集めてプレイさせてもいいよね。ちょっと裏がありそうな大人たちを集めた方が面白そうだけど。

何か知らんけど、毎度毎度プレイヤーが高校生だからさ……飽きる。これってもしかして、何か理由がある? 原作は全く読んでないので……いずれにしても、飽きる。でも観ちゃう。

・最初の一人が死ぬまでの流れが大体同じ

「こんなゲーム馬鹿らしい!」とか大声でわめく奴から死ぬ。全員から人狼扱いされ、御陀仏なり。酷いよね!

最初の多数決は、ろくな情報も無いままに人狼を決めなきゃならない。ルールに背けば全員死ぬからね。

大体、目立ってる奴から餌食にされる。いや、でも。一番最初の多数決が一番嫌だな……何の根拠もないのに人狼にされてしまうわけで。

・リスキーなゲームなのに日本国内で行っている

プレイヤーである高校生たちは「賭けの対象」とされてるらしい。人狼ゲームを仕切る運営側は超金持ちなのだな。

人狼ゲームの勝者には賞金一億円が支払われるそうだが、「そりゃないだろ!」って突っ込んじゃいましたよ。そもそも、勝っても賞金を受け取れる気がしない。どのように受け取れるのでしょうかね。現金で? まさか、銀行振り込みとか?

そんだけ金持ちならさ、普通は海外の孤島とか選ぶよね。何故に国内でやるのか……これ、どうかんがえても日本国内だよね? 運営側は馬鹿の集団らしいぞ。

・道具を片付けない馬鹿運営

プレイヤーはルール違反すると殺される。施設から逃げ出すとか、ね。

さて。如何様に殺されてしまうのか……一作目と二作目で用意された殺戮装置は、プレイヤーの首筋に仕込まれた針のような物……だと思う。おいそれと抜くことができず、施設から逃げ出すなどのルール違反が確定すれば首から大量の血を流し、絶命してしまう。

三作目以降に用意された装置は「首輪」で御座います。自転車などに用いるワイヤーロックのような物が首に巻かれていて、ルールを犯すとワイヤーによって首を絞められ窒息死。首を裂かれて血を噴き出すパターンもあったかな。

でさ、施設内に道具が沢山転がってるのよ。『人狼ゲーム プリズン・ブレイク』では、鉄ヤスリを見つけたプレイヤーが首輪をちぎることに成功し、最後に逃げおおせる。運営側は馬鹿の集団なのだろう。

おまけに、施設の外を走るシーンの中で駐車場の車が映っている。これは流石にちょっとあれじゃないかな!? やっぱ島を用意するべきじゃないかな!

・復活してるテレビに誰も突っ込まない

狂乱したプレイヤーがテレビを破壊するシーンが御座います。しかも女子が。

ところが、後日にテレビが元通りに直ってるんだけど、それに対して誰も疑問を抱かない。運営側の人間がこっそり取り替えに来たのかしらね。凄えどうでもいいんだけど気になって気になって。

・すぐに使われなくなったビデオ設定

一作目ではテレビの他にビデオが用意されていて、プレイヤーの一人がテープを挿入して再生するシーンが御座います。これは、ビデオを再生することで人狼ゲームを知るのですね。

これってさ、ビデオを再生してみようなどと誰も思わない可能性もあるよね。

作中、ビデオに気付いたプレイヤーが「再生してみよう」とか言うんだけど……そこまでの流れが不自然で悶々としてしまいました。この設定は駄目だと気付いたのか、すぐに使われなくなりましたねw

だって、人狼ゲームの説明はビデオテープで行われるのに、その他の情報はビデオ関係なくテレビに表示されるわけで。つまり、テープを再生させる必要性が無い。

・最後まで欠如してる緊張感

殺し合いのはずなのに、どこか緊張感に欠けてるので御座います。その原因は、外。

ゲームの舞台となる施設の窓ガラスから外が丸見え。外からも中が丸見え。人狼ゲームは数日間行われるので、昼間は当然の如く明るいこと明るいこと。

例えば『キューブ』は、どこなのか全く分からない場所でのサバイバル劇。そしてまた、昼か夜なのかさえ分からない。だからこそ、あの異様な恐怖感を演出できたのだと思います。

ところが、『人狼ゲーム』ではだだっ広い保養施設の中を自由に移動できるし、飯も用意されてる。こんだけだだっ広いとさ、監視カメラの設置も大変でしょうね。そりゃ死角もできるわ!

超金持ち集団ならさ、海外の孤島に専用の施設を作ってみては如何でしょうかね。せめて、地下施設を用意するなどして閉塞感を出して欲しかったかな。明るいのは駄目だと思うよ。

とにかく、舞台設定から何から中途半端。恐らく、これが低評価に繋がっているんだと思う。

それでも観てしまうのは……まあ、あの鬼気迫る俳優たちの演技でしょうね。演技だけは唯一の見所だと思います。それだけに舞台装置が残念すぎて……

・一般人が殺し合うのは無理がある

それを言ったらおしまいよ、などと言われてしまいそうですが……やっぱね、無理があるよ。それも、高校生が殺し合うのはさ。

プレイヤーが賭けの対象とされてるとは言え……ルールを犯したら殺されるのは分かっていても、誰一人としてゲームを始めない可能性も御座いますよね。そうなれば、運営側としても賭けが始まらず、お話にならない。

それに、自分が殺されるからと、そうそう簡単に他人を殺せるとは思えない。賞金の存在があっても。

日本人だけに限らない話だと思うけど……この場合、全員が生還のために尽力し、最終的に全員が死ぬ気がする。

それも、高校生だからね。自分が助かりたいからと他人を殺せるもんでしょうかね。だから、あまりにもリアリティに欠ける。いや、「ファンタジーだから」と言われてしまえばそれまでだけど……ここはやっぱり「何が何でも金が欲しい薄汚い大人」を用意した方がいいと思います。

大体さ、言うことを聞かないプレイヤーに「埒が明かない」と運営側がそこで全員を殺したとして。またプレイヤーを拉致しないといけないよね。街から高校生が大勢いなくなれば大騒ぎだろうし、何回も上手く拉致が成功するとは限らない。恐ろしくリスクが高い。つまり、何回も繰り返しプレイできるゲームではないわけですよ。この設定だとね。

賞金を用意するんだから、拉致するより普通にプレイヤーを募った方がいいんじゃないの? 無人島とか用意してさ。まあ、インパクトが欲しくて「高校生が殺し合う」設定にしたんだろうけどね。これが成功してるのかどうかは分からんが……

どうでもいいけど、最近は「○○ゲーム」ってのが流行なの? 色んな作品があるけど、どれも低評価のようで御座いますが。溢れすぎて食指が動かんよ。

結局この作品はどうなのよ

『バトル・ロワイヤル』とか好きなら気に入るかも。知らんけど。

お薦めはしませんが、Amazonプライムに加入してるなら観てもいいかな、程度。いや、つまんない作品ではないと思うけど……ちょっと、舞台装置がグダグダだから……

ニコ生とか、みんなで視聴したら楽しいかも。これも過去に放送されてるのかな? いずれにしても、ネタ半分に観る映画だとは思います。こう言っちゃ何だけど、大人が真剣に観る映画ではないと思います。子供が観る映画でもないけど。じゃあ誰が観るんだよ!

俳優たちの演技は悪くない。これだけは、強く言っておきます。

あんまり真剣にならず、適当に「ああ、こういう舞台なんだな」と思いながら観ましょう。

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