痛いんだよ!
はい。物凄く痛いのです。同僚が怪我をしました。
同僚の名を仮に「海野」としておこうかな。二十代前半と、まだまだ彼は若い。
海野が私のところへ来て「KOHさん、すいません。やっちゃいました……」
やけに冷静な海野だったので、「ああ、何か機械を誤作動させたのかな」と、軽い気持ちの私。
私は「おお、どうした」と、海野の手元を見た。彼は人差し指を押さえていたので「あ、切っちまったのか」と、まだ軽い気持ちの私。だが、血がみるみる溢れだし……最初はオイルで洗い流されてしまっていたから綺麗だったのだな。「え!? おいおい!」と見ると、彼の指先は引きちぎられていた。
私は段々と気が遠くなり……って私が倒れてどうする!! もう、泡食った。
ワークが排出されるパイプから小指の先ほどの肉片が転がり落ち、それを見た私は割と真面目に「しばらく、焼き鳥は遠慮しようかな……」
上役の代表が事情を聞きに現れた。「おい、KOH。どういうことだ」
私は、「機械が動いてる状態でワークを取りに行って挟まれたのかと。多分」
動いてる機械に手を突っ込んではいけない。これは鉄則なり。
上役は、「ああ、そうか。まさか、お前は同じことやってねえだろうな」
私は「やってます!(キリッ」
すると上役が私の頭をポカリ「お、お前! お前がやってちゃ駄目だろうが!」
「すいませんwwwww やってましたwwwww」
安全に対する意識が低いのが不味い
「自分は大丈夫だろう」と思ってはいけない。うちの現場なんか、危険な機械だらけ。それでも海野の時給は1000円なのね。
以前に働いていた職場では、漏電が原因で人死にが出ていた。
「KOHちゃんが触ってるその機械でさ、人が感電死したんだよ」
「嫌だwww 勘弁してよwwww」
ただ、今回の海野の事故は「安全に対する意識」が低いことから発生した。最初に「危ないから、ワークを取る時は機械を止めてから」と説明したのだが……まあ、常に納期に追われてるので「機械を止めちゃいけない」という心理が働いていたのかも知れない。普段から私も、動いてる機械からひょいひょいとワークを取り出してる。私にも責任の一端はあるだろうね。反省してるよ。
海野は日頃から少し危なっかしい。ちょっとやばそうな動きを見つけては「危ない」と注意していたが……私の真似をしていたのだろうが。
まさか、斯様な事故が現実の物になろうとは。
本音は、本当に機械を止めたくない。連続運転を始めたらね。
だって、かつかつなんだもん。常に納期に追われてる。嫌だ。くそ食らえだ。
小さい怪我なら毎度のこと。膝ぶつけたり指ぶつけたり心が傷ついたり……
もう、大変。いつでも崩れ落ちるわ。
とにもかくにも。日頃から事故には注意しましょうか。
血を流してからじゃ遅いからな!
こんにちは。
機械を扱う仕事は危険がいっぱいですね。
指が引きちぎれて…ってそれ、全然大丈夫じゃないんですが…
同僚さん、その状況だと暫くへこんじゃいそうですね。
こういう場合は怪我とメンタル面の回復って事で、
暫く仕事をお休みされるのでしょうか?
ほんの少しの油断が大きな事故に繋がりますから、
KOHさんも怪我をされないよう、気をつけて下さいね。